季節の行事(年中行事)の意味・意義

 4月

子どもたちを祝う会(新入園児歓迎会) 4月30日前後

新しくレオナに入園してきた友だちに対して、「みんなに会えて、うれしいよ。」「幼稚園に元気に来てくれてうれしいよ。」と、

在園児と保育者で歓迎する気持ちを表現する会です。

5月5日「こどもの日」にちなみ、全保育者で、男の子だけではなく、女の子も含めた全園児がここに元気にいてくれる幸せを喜び、

「ここに元気にいてくれて、ありがとう」とお祝いし、

「今年一年、鯉のように一緒に大きくなろうね。」と、今後も明るく、健やかに育つことを祈念する会としても位置づけています。

さらに、「こどもの日」の趣旨の一つである、お母さんへの感謝を表すことも心がけています。

「産んでくれて、ありがとう」 「育ててくれて、ありがとう」


 5月

花まつり 5月8日前後

4月8日に、お釈迦さまがお生まれになって、すぐに言われた「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」は、

辞書的には、釈迦が生まれた時、一手は天を指し、一手は地を指し、七歩進んで、四方を顧みて言ったという言葉で、

宇宙間に自分より尊いものはないという意とされています。

このことについて、レオナでは、この自分を含めたすべての存在が自らに向かって、

「自分は、この世の中に一人しかいない 尊い存在である」と、宣言するものと解釈します。

「人生は、生老病死の四苦の世の中であり、この四苦は、人間として生まれてきた以上、誰一人として避けることができないもの

である。この思い通りにならないものを思い通りにしたいと思うからこそ苦しみが生じるのである。」との教えに対しては、

レオナでは、「思いどおりにならないからこその学びがあり、愛を深めることができ、人としての向上がある。」

として、肯定的に「有り難し」との感謝の気持ちを持って受け止めるように心がけています。

お釈迦さまは、人が幸せに至る道(悟り)を追究するために、難行苦行に自らを追い込みましたが、

悟ることができませんでした。死を待つばかりとなった自分に対して、貧しい乳しぼりのスジャータからの施しを受け、

その有り難さから、「今生かされていることに感謝することがすべて」と、幸せの核心を悟ることになりました。このことから、

貧富・貴賎・老若などにかかわりなく、自分を後にし、人を思いやる行為(慈悲)と、日々のすべてを感謝で受け止める思いの中

に幸せがあふれていることに気づくことの大切さを伝えていきます。

そこで、お釈迦さまの生誕日から一ヶ月遅れではありますが、花御堂にお釈迦さまのご誕生仏を安置し、全園児が持ちよったり、

製作したりした花々で飾り、甘茶をかけてお祝いします。


 6月

健康であることを祝う集い 6月4日前後

健康とは、体も心も健やかで、霊性(魂)が自然に発露する状態をいいます。そして、食べること・体を動かすこと

・手や体を洗うこと・眠ることなどにおいて、「気持のよさ」を感じることが、健康であることのシンプルな指標と考えます。

集いの中で、元気に幼稚園に来ることができることを喜び、お祝いし、健康であることの大切さに気持ちを向けていきます。

子どもたちと今までの生活習慣を見直し、より健康的な生活習慣の実現に向けて、具体的な活動をスタートさせる日と考え、

意欲を高めます。


 7月

七夕会 7月7日

織女(織姫星)と牽牛(彦星)の星伝説から、天空に思いをはせ、年に一度7月7日、その日の天候にかかわりなく、

二人の願いが叶って、二人が出会えることを喜び、感謝します。

織姫は機織りが大好きで、彦星は牛飼いの仕事が大好きだったので、毎日の仕事に一生懸命精を出し、 見事な織物を仕上げたり、

丈夫な牛を育てたりしながら、7月7日を心待ちにしていたと思います。

子どもたちも、まずはここまで成長できたこと(できることが増えたこと)を喜ぶとともに、さらにこれからの上達や向上のために、

織姫や彦星のように毎日努力できることの中から、星に誓える願いを決めて短冊に記します。

そして、二人の出会いを祝う笹飾りとともに短冊を笹(竹)に飾り、7月7日をさらなる成長のために努力する、決意の日とします。

保育者においては、子どもたちが苦手克服に努力するよりも、大好きでもっと上達したいことや、今取り組んでみたいと思うことの中から、

努力を続けることができる願いを「やり抜くぞの誓い」として決められるように促します。また、保育者自らがこの世に生まれ、

レオナで働く意味や役割に思いを向け、自らの願い実現への努力を星に誓う日ともします。


 11月

七五三宮参り 11月15日

その昔は、ヒナ(一歳から七歳まで)の時代を無事に越えられず、この世を旅立つ子どもたちが多くいたため、「七つ前は神の子」と言われ、

神がその運命を決めると考えられてきました。

そんな時代背景のある中で、現在の「七五三」の歳祝いは、めでたいから祝うというよりも、祝うことによっておめでたくすることが大事です。

そのことが実現するほどに子どもも親も、ここまで大きくなることができたという成長の自覚が高まります。

その上で神社に詣でて、神様(氏神様)に日頃の感謝を申し上げることがこの行事の目的です。

さらに述べるならば、神社に詣でるにあたって、我が子に晴れ着を着せたり、自らも正装したりする中で、我が子にここまでの成長の自覚を

持たせるだけでなく、親においても、これからの我が子の成長のために親として精一杯の努力を続ける自覚や決意が生まれてくるのです。

レオナにおいても、保護者が親と同様の、子どもたちを支え育む自覚と決意を生み出す環境づくりを大切にしています。

当日は、保育者が、真伝町の經津主(ふつぬし)神社(第一幼稚園)、西阿知和町の若宮八幡宮(第二幼稚園)に、身なりを整えた子どもたちを

連れて行き、ここまでの成長の報告と日頃の感謝とお礼を申し上げる神事として行なっています。

子どもたちも自分たちの口で、今の健康と安全のお礼を神さまに伝えます。

これは、神さまに対する成長感謝の儀礼の大切な機会です。さらに、園にもどったならば、供物(千歳飴)を渡しながら、

「大きくなったね。おめでとう」と一人ひとりをお祝いしています。


 12月

クリスマス会 12月25日前

イエス・キリストは、すべての民衆の罪を引き受けて、十字架にかかるなど、無条件の愛・無償の愛の実践をしてきた方であること

をおさえた上で、その降誕をお祝いする会と考えています。そこでは、神聖な雰囲気を子どもたちが味わう機会となるよう、

イエス・キリストの行いに焦点をあてた話を語り、サンタクロースの話題に触れることはありません。

イエス・キリストの究極のの優しさ(許し)を子どもたちにも理解できるエピソードを通して伝えることより、

イエス・キリストがこの世に生まれてきたことを純粋にお祝いする日と考えています。

「この世に生まれてきてくれて、ありがとう」


 2月

節分会 2月3日

幼児の心の中には、「鬼」はいないという前提に立って会を進めます。マイナスな思いや考えを持ち続けていると、「鬼」が入り

込んでしまい、悪い出来事が実現してしまうため、明るい思いとにっこり笑顔で過ごすことの大切さを伝えます。

具体的には、冬から春の季節の変わり目である「節分」に、冬ごもりの中で溜め込んできた

「邪気=心を重くする様々な思いが凝り固まったもの」を「鬼」にたとえて追い払い、きれいで、さわやかな中に「福」を呼び込む

のが、「豆まきの儀式」です。大きな声で元気よく、すがすがしい気持ちを生み出すことで、気分一新を図り、立春を迎えます。


 3月

ひなまつり会 3月3日

紙や土で作った人形(ひとがた)に穢れや痛みを移し、川に流す「ひな流し」から、ひな人形を飾る風習へと変化していったことを

踏まえて、女の子だけでなく、子どもたちがここまで成長できたことを一人ひとりに「大きくなったね、おめでとう。」

とお祝いしてあげる会です。

五節供のひとつである「ひなまつり」は、桃の節供とも言われ、ひな人形を飾ることには、明るく元気である今を祝い、これからも

病気やけがなどをせずに、健やかに成長し、いつまでも幸せであってほしいと願う家族みんなの気持ちが込められていることを伝えます。

「あなたはいい子、大事な子、父さん、母さん、じいちゃん、ばあちゃん、ご先祖さま、そしてレオナの宝物」

さらに、保育者としては、ひだり(火足り・霊垂り)とみぎり(水極り・身切り)などの日本語の語源に込められた自然の摂理を

理解し、宇宙の秩序としての位置や順番を確認する機会としています。

左(ひだり)が男性性、右(みぎり)が女性性を表すとの理解から、レオナにおいては、本来あるべき雛人形の位置として、

男雛(おびな)を左(内裏に向かって右)に、女雛(めびな)を右にして飾っています。